ゾンビのヒットマン

バキュゥウゥゥン!


なにぃぃいいぃぃ!?

なぜこのタイミングで引き金を引いてしまうのだこの指は!

こういう場面は大体、メイドの土産的なお話をしてからバキューンだろう!

プリクラ的な!

プリクラ的なメイドの土産が抜けている!


だが素晴らしい、もじゃブタ!

銃弾を間一髪交わし、転がってからまた立ち上がった。

機敏だ。
動けるデブというヤツか。


「うぉおおぉぉお! あぶねぇええぇええ! 死ぬかと思ったぁああぁああ!」


もじゃブタがビシッ! と効果音がしそうな勢いでグレーマスクを指差している。

私の許可なしにグレーマスクを指差すとは、いい度胸だ。


「どういうつもりだ、グレーマスク君!」


「どうって……普通に殺すつもりですけど?」


「ああなるほどね……ってうおぉおおっぉおぉい! 殺すとかそんな簡単に口にするな! 幼女教育に良くないだろうが!」


「なんで“幼女”に限定したんですか!」


「いいだろうがそこは別に! さては君、僕を殺してこの会社の社長になる気だな!」


「え? さっきそう言いませんでしたっけ?」


「あれ本気のやつだったの!? まさかだよ! リップサービス的なものだと思い込んでいたよすっかり!」