ゾンビのヒットマン

「了解した。任せておけ」


「うぉおおぉぉおい! 了解しちゃダメでしょうよう! なにこれなにこれ、どういうこと!?」


もはやもじゃブタの言葉など、私の耳には入ってこない。

女の頼みは断らない。
それが私のモットーだ。

ああ、そうだ。

この女に頼まれてしまった以上、私は断るコトができない。

お腹が痛くなろうと、気のせいか寒気がしてこようとも、ああどうしよう、なんだかトイレにも行きたくなってきた。

小さい方だ。
個室に入らなくても大丈夫な方だ。

よし、仕方ない。
これほどの悪条件も整ってしまったコトだし、今日の殺人は取りやめるとしよう。

そう、ゆっくり引き金に手をかけ、指にゆっくり力を……


「って、断れない! 身体が勝手に動く!」


「そうですよ。へなちょこ様もわかってるじゃないですか。一度された命令は断れない。さっき実験もしましたよね」


なんというコトだ。

これがゾンビの宿命だというのか。

不味い。
これは極めて不味い状況だ。

私はこのまま、強制的に殺人をしなければならないの……