ゾンビのヒットマン

「でもね、ゾンビ君。鍵のかからない部屋に置いてあったとはいえ、管理はちゃんとしてあったんだよ。どういうことかわかるかい?」


「“ゾンビパウダー”が入っていたビンに発信機が取り付けられていたのだろうか?」


「…………正解だよ。なんでわかっちゃったんだよ。答えたかったのに」


「そうでもなければ、私にたどり着いた理由がわからないからな」


私がゾンビとして目を覚ましたとき、副社長であるグレーマスクが部屋にいた。

盗まれたにも関わらず、なぜ私がゾンビになっていると気付けたのか。

それはビンに発信機が取り付けられており、私の居場所がわかったからだ。


おそらくグレーマスクは、発信機の場所を追って、私の部屋にたどり着いたのだろう。

すると、ベッドには青い体で寝ている私がいた。

それが先ほどの私とグレーマスクの運命的な出会い、というコトなのだろう。


そして、ビンの発信機を追って私にたどり着いたのだとすれば、“ゾンビパウダー”の入っているビンは“ボス”が持っているのではなく、私が持っているというコトになる。