ゾンビのヒットマン

なんてコトだ! なんて危険なコトをするのだ“ボス”は!


「よかったですね、何事もなく無事ゾンビになれて」


「良くないだろう! 完全なる結果論ではないか! もし失敗していて、副作用でお腹が痛くなったりしたらどうするんだ!」


「その程度ならもはや成功ですよ! それに結果論でも今が無事ならいいじゃないですか」


「ああそうだ! まったくその通りだ!」


いや、冷静に考えるとどうなのだろうか。

そもそもゾンビになっているコト自体良くないコトの気がしなくもないが、まあいい。

それはとりあえず置いておこう。


ここでひとつ、新たな疑問が生じた。


「だが、なぜ、まだ動物実験すら終わっていなかった“ゾンビパウダー”を、“ボス”が持っていたのだろうか?」


「ゾンビ君。それは僕が教えてあげようじゃないか。いつまでも僕の大事な秘書と二人っきりで会話をさせておくのもなんだからね」


よみがえったのか、もじゃブタ。

名前すら呼んでもらえないというショックから立ち直るとは、なかなかの精神力を持ち合わせているようだ。