ゾンビのヒットマン

とうとうあだ名ですら呼んでもらえなくなったよ、とうなだれているもじゃブタは無視して、私は二人っきりで説明を聞くコトになった。

とはいっても目の前にもじゃブタがいるコトに変わりはないので、気分的に二人きり、というだけのコトだが。


「一言で言ってしまえば、へなちょこ様は我が社の“モルモット”だっていうことです」


「“ハムスター”……だと!?」


「言ってませんよね、ハムスターなんて。はっきりモルモットって言いましたよね」


「見た目はそれほど変わらないと思うが」


「たしかにそうですけど、意味合い的に変わってきちゃうので。つまりは実験動物って意味です」


私が実験台、というコトか。

つまり、“ゾンビパウダー”は完成しておらず、制作途中、というコトなのだろう。


「結果的にですけど、“ゾンビパウダー”を使った動物はへなちょこ様が初めてなので、我が社にとっては貴重な実験台なんです」