ゾンビのヒットマン

副社長というコトはつまり社長の次、というワケであり、つまりは収入も社長の次、というコトだろう。

さぞかしたくさんの収入を得ているに違いない。

この女、美貌や美声や美臭だけでなく、裕福さまで兼ね備えているというのか。

一体どれだけ兼ね備えればいいのだこの女は。

それにしても美臭と文字にするとどうにも臭そうな印象を受けるのはどういうコトだろうか。

そもそも美臭という言葉は存在するのだろうか、いや、存在しない。


「本当ですよ、へなちょこ様。社長秘書兼、副社長なんです」


「なっ…………」


社長秘書……だと!?

この女、さらに兼ね備えているというのか!

どれだけ兼ね備えれば気が済むのだ!

一体一人何役なのだ!


それにしても、社長秘書。

こうなるとひとつ、疑問が生じる。


「社長秘書というコトはつまりその……社長とはそういう関係なのだろうか?」


「そうですよ。社長と秘書の関係です」


「こらこら、女は黙っていたまえ。ゾンビ君が聞きたいのはそういうことではない。つまりは“肉体関係”にあるかどうか。そういうことだろう?」