ゾンビのヒットマン

「不眠症になれるといいですね」


「よくないでしょうよう! 何がいいのさ不眠症の! メリットがあるなら検討するよ? でもないでしょうよう!」


「でももじゃブタ。冷静に考えてくださいよ」


「とうとう堂々ともじゃブタって呼び始めちゃったよこの人。社長って言わなくなっちゃったよ」


「もし社長が病気で倒れて引退となったら、代わりに会社の社長になるのは誰ですか?」


「まあ副社長の可能性が一番高いだろうねえ」


「じゃあ、この会社の副社長は誰ですか?」


「わかってるだろう? グレーマスク君。君だよ」


「ですよね…………」


「ああ………………」


「不眠症になれるといいですね」


「爆・弾・発・言! 言っちゃったよこの子! 会社を乗っ取るって言ってるようなものだよこの子!」


「横入り失礼。ちょっと待っていただきたい」


私は思わず声を上げていた。

仲の良さそうな二人に嫉妬したのは事実だが、それは置いておいても気になる発言が聞こえ、話を止めてしまった。


「副社長、というのは本当だろうか」