「黙って聞いてろ。お前が察した通り、…………、都筑千景は…俺だ」




今さら、びっくりする話でもなかった。


ただ、自分で自分の手を強く握った。



「千隼が本名。千景は芸名。俺は芸能界に縛られるのが嫌で、高校に入った」



真っ暗ななか、千隼の声だけが静かに耳に入ってくる。


「別に悪口を言われることなんて、慣れてたからなんともなかった。俺の周りは、外見みるやつばっかだったし。

お前が俺を追っかけて来たときも、ただのウザいファンだと思って、嘘をついた」