そのとき。 いきなりエントランスが閉じた。 「きゃ…」 真っ暗になって、何も見えなくなる。 「な、なに…?」 誰もいないと思われて、明かりを消された…? 「落ち着け。梨乃」 すぐ隣から、声が聞こえた。 真っ暗で、何もみえなかったけど。 「千隼…?」 声でわかる。 透き通った、キレイな声。 「あぁ」 そっけない返事。 やっぱり、千隼だ。