「……梨乃。梨乃」 千隼の声が聞こえて、あたしはゆっくり目を開けた。 「………ほ…けんしつ…?」 頭がボーッとして、ピントがまだ合ってなかった。 「38.8度。おまえさー、気づかなかったわけ?」 気づかなかった…、って言いたかったけど、呂律がまわらない…