「あたしの名前…二ノ宮梨乃ですケド」 そんなことを言っても、多分聞いてない。 「よろしく、俺の隣の席の、天子ちゃん」 「だ、だから…」 「じゃ、俺帰るわ。天子、じゃーな」 スクバを持ち、メガネを押し上げ、あの人はみんなの注目を浴びながら教室を出た。 そして、他の男子が。 「あのメガネ、ホームシックかよ!情けね」 「てか、養護だろ。いろいろと」 「止めなってぇー」