さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―






斎藤さんとなんて、よっぽどじゃないと二人になんてなれないだろうから。





照れ屋なキンさんらしいな、と思って思わず口角がゆるゆると上がってしまう。





そんな私の視線に気づいたのか、キンさんは慌てたように目を伏せた。





顔が真っ赤。





可愛いな、本当に。





「キンさん、このあみだくじ使って決めるの?」






まささんが一枚の紙を拾い上げた。





どうやら網掛けのようなものが見える。





キンさんがこの時の為に準備したものなんだろう。





「そ、そうだよ。一人ずつ好きな番号のところに名前を書いてくれるか?」





「まさ3番がいい!」





隣に置いてあった筆を拾い上げて、さらさらっと名前を書きあげていく。





まささんらしい、可愛いらしい字。