斎藤さんとなんて、よっぽどじゃないと二人になんてなれないだろうから。
照れ屋なキンさんらしいな、と思って思わず口角がゆるゆると上がってしまう。
そんな私の視線に気づいたのか、キンさんは慌てたように目を伏せた。
顔が真っ赤。
可愛いな、本当に。
「キンさん、このあみだくじ使って決めるの?」
まささんが一枚の紙を拾い上げた。
どうやら網掛けのようなものが見える。
キンさんがこの時の為に準備したものなんだろう。
「そ、そうだよ。一人ずつ好きな番号のところに名前を書いてくれるか?」
「まさ3番がいい!」
隣に置いてあった筆を拾い上げて、さらさらっと名前を書きあげていく。
まささんらしい、可愛いらしい字。

