「近藤さん、今頃悩み込んじゃってるだろうな。」




「かも、しれないですね。」




部屋を出て、再び縁側に腰を落とす。





「近藤さん心配性だしね。」





「でも、隔離にならなくて良かったですよね。」





私の言葉ににっこり微笑む。




これで隔離なんてなったら、沖田さんは発狂していたかもしれない。





新選組の最盛期を迎えるこの時期に、隊長であるにもかかわらずじっとお留守番なんて。





「あずのおかげだよ。」




「!」




どんどん体温が上昇していくのが分かる。




な、なななななんで!?





「沖田さん、手・・・」





「なんとなく、こうしたかった。」





悪戯に笑う。




そんな顔されたら、離して下さいなんて言えないじゃない!





私の右手の上にそっと重ねられた、沖田さんの左手。




右手から温かさが伝わってくる。




もう、駄目。





どうしようもなく沖田さんが愛しい。




好きよりもっと、愛してる。




愛してるなんて思う日がくるとは思わなかったな。




そっと沖田さんに視線を移す。





「・・・ッ・・・」





失敗だ。




私、自意識過剰なこと考えてる。




沖田さんが、私と同じ気持ちなんじゃないかなって。




だって、ほら。





私のこと、愛おしそうに見てる。




この目はキンさんやまささんをみていたから、どんな気持ちがあるかなんとなくわかる。





もしかして、本当に────?