きっと、原田さんの、初恋の相手。 「何って、左之ちゃんに会いに来たに決まってるでしょ!」 ぎゅっと原田さんの袖を掴むけれど、原田さんはそれを間髪入れず振り払った。 ────ゾク こんな原田さんの表情、初めて見た。 瞳の中では何かが激しく色づいている。 「帰れよ。お父さんだって心配するだろ?」 「嫌!左之ちゃんが一緒に来てくれるまで、私帰らない!」