「これ以上町にいるのは危険だ。高台寺に帰るよ。」 「あ、ああ…。」 駆け足でさっき来た方向へ走る。 藩士たちの冷たい視線を感じながらも、脇目を振ることなく。 いや、視線が合ったらまた斬り合いになるだろうから。 ―――どうしてもさっきの出来事が信じられない。 俺の刀がかわされた、なんて。 完璧に決まったと思ったのに、逆に切り込まれていたのは間切れもなく俺。 危うく殺されかけていた。 もし、篠原が助けてくれなかったら? そう考えると背筋がゾッとした。