「へ?」





今、どこかでニャーって…。




再びガサゴソと茂みが動いたかと思うと、真っ白い猫が飛び出してきた。





「おいで。」




猫は斉藤さんの腕の中に、嬉しそうに飛び込んでいく。





そして、斎藤さんも嬉しそう。




はっ!




さっき斎藤さんが手を差し出したのも、おいで、と優しく微笑みかけたのも、私に向けたものじゃなくてこの猫にだったってことか。





恥ずかしい!





思い上がった自分に恥ずかしくなって顔を手で覆った。





それにしても…。





「斎藤さん動物好きなんですか?」





「ああ。」






速攻返ってきた答えがあまりにも意外だったから驚いてしまう。





「抱いてみる?」





「いいんですか?」





斎藤さんは相変わらず無愛想にこくんと頷いて白猫を私に渡してきた。