ひらり、天井から何かが舞い落ちてきて、私の足元に落下する。 これは、楓? 鮮やかな樺色に染まっているそれは、この季節に見れるものじゃないのに。 「待ってたよ。」 変声期を終えていないような、少し高い…でも、凛として伸びる声。 突如聞こえたその言葉に耳を疑う。 待ってた? 一体、何を言って───? ふいに顔を上げて絶句する。 まさか、そんな。 どうして貴方がここに―――?