「やはり四国屋ですか…」






違います、山南さん。





この事件の名前は、池田屋事件。





きっと、本命は池田屋。





でも、言っていいのかな。




それが歴史の歪みに繋がらないという確信はない。





でも―――





「私は池田屋を推します。」






「なんだとっ!?」





幹部が集まった部屋で、空気がぴしゃりと張り詰める。





「一之瀬くんが言うとなると、妙な説得力がありますよね。」





山南さんがははっと笑う。





私が未来から来たからという意味なんだろう。





「そうなると、二手に分かれるしかないな。」