美しい華には。 容易く分かった、とは言えなかった。 二人の背中が見えなくなるまでじっと見つめて、腰を持ち上げた。 これ以上見張っていても時間の無駄だ。 辺りはもう、オレンジ色の世界が広がっている。 ここはこれから、赤の世界へと展開する。 池田屋事件を見届けたいと思ったけれど、なによりも命が大切だ。 戻ろう、と思って一歩足を踏み出す。 篠原のこと、伊東さんには言わない。 歴史に歪みがあるのなら、俺がそれを修正しないと。