さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―





「あっ、一之瀬くん!」






すみません、山南さん。





心の中で何度も謝る。




反省はしているけれど、駆け出した足は止まらない。








「近藤さん!土方さんっ!!」






鉛色の重い戸を全力で引と、ギギギと嫌な音がした。





それと同時に、薄暗い蔵の中の光景が露わとなる。






「…っ!」





そこにあったのは、驚くほど残酷な光景。





古高は、手足を縛られたまま2階から逆さ吊りにされている。




さらには足の甲には15センチはありそうな釘を打たれ、それが突き抜けた足の裏の釘に大きな蝋燭を立てられ、火をつけらている。





着ていた袴は古高自身の血で真っ赤に染まり、床にはボタボタと赤い痕跡が。






「あ、の…」





予想外の光景に思わず絶句してしまう。