「あっ、一之瀬くん!」
すみません、山南さん。
心の中で何度も謝る。
反省はしているけれど、駆け出した足は止まらない。
「近藤さん!土方さんっ!!」
鉛色の重い戸を全力で引と、ギギギと嫌な音がした。
それと同時に、薄暗い蔵の中の光景が露わとなる。
「…っ!」
そこにあったのは、驚くほど残酷な光景。
古高は、手足を縛られたまま2階から逆さ吊りにされている。
さらには足の甲には15センチはありそうな釘を打たれ、それが突き抜けた足の裏の釘に大きな蝋燭を立てられ、火をつけらている。
着ていた袴は古高自身の血で真っ赤に染まり、床にはボタボタと赤い痕跡が。
「あ、の…」
予想外の光景に思わず絶句してしまう。

