あの日の原田さんの顔が、今だ忘れられない。 あんな青に満ちた顔、忘れられるわけがない。 「あ、あの・・・」 駄目。 呼び止めても、言葉が落ちない。 「そんな面すんなよ。」 ────ドキン どうしようもなく切なくなる。 ぽんぽんと、そっと触れられた頭から原田さんの体温が伝わってくる。 こんなにも温かい。 「この騒動が終わったら、ちゃんと話がしたい。俺も全部、話すから。」 ポツリ、言葉が降ってきた。 このままの関係は嫌だと言っている。