「はうー…」




みんなが出て行った部屋で、一人うなだれる。




こんな事になるなんて、考えたこともなかった。




まさか、あの舞台に私も立つなんて。





────ガラッ




その瞬間、強引に襖が開く。




だ、誰?




襖の向こうから見えるシルエットを、じっと見据える。




「!?・・・なんだ、お前か。」





「はっ、原田さん、どうしたんですか?」





「忘れ物だよ。」





ひらひらと巾着をちらつかせる。





「そ、そっか・・・。」




残ったのは、沈黙。




気まずい。




この間の肝試しから、原田さんとの関係はぎくしゃくしている。




といっても、私が一方的になんだけど。