「左之ちゃあーん!!」
「まぁまぁ、まさちゃんは俺と一緒に行こうよ。」
────ズキン
痛い。
原田さんが笑う度に、心が痛い。
まささんに笑いかけないで、と思ってしまう。
私って、とことん性格悪いな。
こんな些細なとこさえ許せないなんて。
「じゃあ裏山まで行こうか。そこまでも2人で行くように!」
「左之ちゃん!!せめてそこまでは一緒に行こうよっ!」
まささんがぎゅっと原田さんの腕にしがみつく。
「ああ!?・・・ったく、そこまでだぞ。」
原田さんはしぶしぶそれを承諾する。
好きな子に言われたら、そりゃあ断るわけがないよね。
待てよ?
キンさんと、斎藤さん。
まささんと、原田さん。
と、いうことは?
そっと視線を移すと、その先が交差する。

