「つ、次はあずちゃんの相手を言うさぁ。」
まだ恥ずかしさを残して、キンさんはあみだくじに視線を落とす。
緊張する。
たかが肝試しと言えばそうなんだけど、私にとってもこの時間は貴重なもの。
だから、出来れば沖田さんと一緒に。
少なくとも原田さんとはなりたくない。
原田さんの本当の気持ちを知ったから、気まずさもあるし。
祈るようにぎゅっと、拳を堅く握る。
「あずちゃんは、左之助!」
は、らださん!?
案の定、一番なりたくなかった人。
「ええ、左之ちゃん!」
まささんが恨めしそうに原田さんを見る。
「まぁ、なっちまったもんはしょうがねーな。びびってちびるんじゃねーぞ?」
「・・・大丈夫だもん。」
どうしてこうなるんだろう。
原田さんは妙に嬉しそうだし。
だから、原田さんは喜ぶ相手を間違えてるでしょ!
そう言いたいけれど、何かがそれを遮る。

