「海流の餌を追って、海中を跳んでまわっている魚よ。波に乗りながら、年に一度、進路がこの島に重なるのよ」

「ニー、蝶魚は、本当に、死なないの?」

「死ぬわよ。あたりまえじゃない。ただ、死んでも、群れがなくなってしまうわけではないから、幼魚が群れに加わるから、そう見えるだけよ」

それでも、人間たちの祝う、祭りは面白そうだ。

ニーは海面に向かって泳ぎはじめた。

ドーターがその後を追う。