小屋のまえの椅子に腰掛けて、ドーターは魚を捕る槍を研いでいる。

日差しが強い。
波は日の光を受けて、淡青色に輝いている。

こんな日は、ニーはやっては来ない。

彼女の目には、地上の光が眩しすぎるのだ。

ドータは、海水に浸しすぎて柔らかく腐りかけた槍の側面を、丁寧に石を使って研いでいく。

そんな彼女のまわりで風は静かに舞っている。