けれど、最近、頻繁に会う者ができた。


彼女は人間なのだろうか?

確かに、姿かたちは人間と同じだが、不自然に海草でまとめあげた足。しかも、決まって彼女は陸ではなく、海の中へ帰って行く。


人間ではないのだろうか?

ドーターには、わからなかったが、そんな事よりも、彼女と意思を通じあわせる方に興味があった。


「彼女も、私に興味があるみたいだけど、いったい何を考えているのかしら」


それで、ドーターとニーは、今まで一定の距離を保って、離れていたのだが、
思い切ってドーターは波間に浮かぶ彼女に向かって手招きする。


『おいで』と。


その行動に、
風と波は同時に動揺したようだったが、
ニーがしばらく考えてから、浜辺に近づいてくる様子を見ると、すぐに静かになった。



―なるようにしか、ならない―

と……ー