「辛い時には、泣けばいいと思う。

 でも、女の子なんだし、わざわざ余計に目が腫れるような事をしなくてもいいでしょう?」



女みたいに笑う男に、女の子の「なんぞや」を説かれて、やっぱり私は面白くない。



「だから?」



気付いたら、私はその男をにらみ上げていた。



「人はみんな幸せになりたいって思ってるんだし、周りの人の幸せな話が面白くないと感じる事があるのは、別に変な事じゃないと思うよ。


 だから、それで自分を責める必要は無いんじゃないかな」



そんな言葉を返された。



「そんなの、普通ないでしょ!!

 友だちのハッピーは祝福するもんじゃん!!!

 面白くないと思ってるとか、ありえない!!」



私は、その彼の両腕を全力で掴んで叫んだ。




「でもさぁ…

 人間ってそんなに単純だっけ?」