「別に無責任な事は言ってないよ~。

 全部を否定しなくてもいいんじゃないかって言ってるんだよ。」


そんなことを言いながら、階段上の屋根からジャンプして着地した。



「違う?」



言いながら上を向いた顔は、ふにゃっとした優しい笑顔。


笑顔は女の子みたい…


でも、笑顔を除けば、制服も何もかも男だ。




思わず、自分の目がおかしくなったのかと思って、もう一回目を擦ってみた。




「そんなに擦ったら、まぶたが腫れるって!!」


そう言って彼は慌てて私の腕を掴む。


自分の行動を制止されたことに、なんかムカっときた私は、おもいっきり、その手を払い退けた。


「放っといてよ!!

 泣いたって、目が腫れたって、何だっていいでしょ!!!

 しかも、友だちの幸せを祝福できない事の、何がイイのよ!!

 どこもイイことなんてないじゃない!!!」


引っ込んだ涙の代わりに暴言が飛び出した。