「例えばさ…」


自分の世界に入り込んで考え込んでいたところに、またヤツが話しかけてきた。



「もし、自分の友だちが誰かにいじめられたとか、だまされたとか、泣かされたとか聞いたら、百合ちゃんはどうする?」




「相手をぶん殴りに行く」



「…いやいや!!

 それはダメだよ!!



 でもさ、大切な人が傷つけられたら、心底許せないって思うでしょ?」




「当然じゃない!!」




「それって、十分、相手の事を大切に思ってるって事だし、大好きって事だよね?」