キキー!!
車がムチャに動く音が響く。
それでも涼風はオタクの胸ぐらを掴んだままだ。
そんなことしたら涼風がケガしちゃうよ!!
「涼風…私はいいからっケガしちゃうよ…!!」
「なんとしても玲奈にはケガさせねぇ!!
俺が守るっ!!」
涼風は割った窓をもっと割り、オタクをビビらせ
中に入ってきた。
「玲奈!!後ろ行って!!はやく!!」
私は素早く後ろに行った。
ボコッ
この狭い車の中で殴り合う。
後ろの座席のオタクはもう倒れている。
「おっ、おれがいなくなったら車もおまえも
なくなるぞっ!!」
「なくなったりしねぇーんだよっ!!」
ボコッ!!
一発だった。
途端に車はバランスがとれなった。
「キャアッ!!」
「うぉっ!!」
キキー!!
「止まった…。」
すぐさま涼風が横に来てくれた。
そしてギュッと抱きしめてくれた。
「なにかされたか?」
「ううん…何もされてない。」
「はーっ!!よかったぁ…。」
「うっ…怖かったよぉーっ、うぅー…」
「ほんとによかった…間に合って…」
泣いた私を涼風はずっと抱きしめてくれた。
