モグモグと鬱憤を晴らすようにケーキにがっつく。 …口に入れた途端に 濃厚な生クリームと柔らかいスポンジが下の上で溶ける。 唸るほど美味しいケーキ。 ゴックンと飲み込むと、 鼻の奥を涙が通り抜けたのを感じた。 ようやく、スッキリした… …のも、つかの間。 「…さてさて、夕花チャン。 今年一年の目標はなんだね?」 探偵気取りの口調で聞いてくるお母さんの目は 悪戯に爛々と怪しく輝いていた。