放課後ドロップ

 

 授業中はまだ眠れた。周りに誰かが居る環境であったし、時間が来れば目覚めなければならないというタイマー式だったから。

「今日は帰りに俺んとこくる?」
「……うん、」

 放課後に彼の家にいくと事態が少しずつ苦痛になっていた。
 どうしても、眠気が強くなってしまう。けれど眠ってはいけない。そんなジレンマに彼も気付いていたらしい。

「すごく眠そうだな」
「……え、ううん、大丈夫大丈夫」

 一人で居ると、眠れないんだよともいえずに、ああこのままだと今日は眠れなさそうだ、と思う。今から帰っても、どうせ11時前になるのだ。

「別に、寝ても」
「ううん、へーきだよ」

 ――――一人になっちゃうんだよね、一緒に居るのに居ても居なくても変わらなくなるんだよね。
 言われた言葉を思い出す。