よくよく話していくと、どうも私がよく居眠りするのがいけないらしい。
隣に居ても、一人で過ごすのと一緒。そんなんじゃ、一緒に居ても居なくてもいいんじゃないか、と。そうだな、と思った。
むしろ言ってくれて、良かった。言ってくれなきゃ、きっと私はこれからもずっと貴方の隣で、貴方を一人にして、眠るところだった。
「ごめん。私が、悪い」
「悪い、わけじゃない」
「気をつけるから。私、一緒に居るの、楽しいし、好きなのは本当なの……だから、一緒に居ちゃ、ダメかな。これからは気をつける」
「毎回抑えて欲しいわけじゃないんだ、ただ毎回だから、ちょっと」
「うん……ごめんね」
好きなのは本当だった。楽しいのも、胸がほわほわするのも。けれど、眠たいのは。
それから、私は寝てしまわないようにと必死に起きていようとした。けれど、結果的にそれは私の睡眠不足を加速させて、黒い影を増幅させただけだった。
黒い、影が、じわり、じわりと私の楽しい夢を食べ始めた。
カリカリと聞こえていた音が、むしゃりむしゃりという音に変わり、仕舞いにはまた、昔のように眠れない日々が続いていた。


