今日のデートは近所を歩くだけだったから、途中からは公園のベンチで座って他愛ない話をしていた。
 今度はどこに行こうかとか、今日の夜は何作ろうかとか、明日は学校だなあとか。コンビニで買ったミルクティーが半分になるころ、私のいつもの眠気がやってきた。
 頭がかくんかくんと揺れだす。

「何? また眠いの?」
「う……ん。肩貸して」

 いつも緊張状態にあるらしい私の精神は、彼と二人きりになるとどうしても気を緩めるらしい。その理由は、好きということには繋がらないのかな。
 ゆっくりとそんなことを思いながら、私は薄っすらとした白の世界に行く。貴方の隣だから安心して目を瞑れるのだと、言ったことがないなあとなんとなくそんなことを思いながら。

「いつも、寝てばっかだなぁ……お前にとっての俺って、枕みたいなもんなの?」