アイツはいつも気付いてない。


 ここ二年くらい、俺がここによくいる理由も、まず居ることすら気付かれてはいなさそうだ。
 今日もきっと気付かれることなくここで今朝来るときにコンビニで買った週刊雑誌を読破して俺は一人で帰ることになるだろう。

 別にそれでもいいと思っている。


 俺に遠慮してなのか、ただ単に待たせることを前提に一緒に帰ろうなんていえる義理じゃないとおもっているからなのか、アイツの口から、一言だって“一緒に帰りたい”という言葉はでたことがない。

 今の今まで。