見上げている状態だから、目線も言葉も上から。
 だからってずっと見ているのもシャクだ。


「ホントの事言わなきゃ、今日は一緒に帰らないから」

「えっ」


 それにはさすがに驚いて、口がパクパクした。
 課題を耐えたのだって、今の事を無しにして過ごそって考えたのだって、その為だったのに。
 よっぽどその感情が私の顔に出ていたのだろう。
 壮ちゃんはクツクツと堪えつつも笑いを漏らしている。



「後三秒だけ待ってやる」

「え、ちょっ、早っ!」


 そういってカウントダウンする荘ちゃんの声が、
 少し嬉しそうなのはこの際気にしないことにした。


 誕生日おめでとうって、言わなきゃ。

 それから、ちゃんと、言ってみよう。
 言葉にしてみよう。

 告白されてるの、聞いて、
 気づいたよ、って。



   end.(初10'10'10)