「あたし……とどめ刺されちゃたね。エヘ…」
あたしはそう言って力なく笑うと、ポケットの中の100均で買った飴に手を伸ばそうとしてやめた。
結局、渋谷祐二もあたしのJ(ジャック)じゃなかった、ってことか……。
このまま彼を想い続けたとしても、いつまで経っても、あたしの恋は上がれない……。
もう…諦めよう……。
もう…終わりにしよう……。
それにしても彼の好きな人っていったい…?
ショックを受けながらも機能し続けていたあたしの思考回路は、そのとき彼が好きなのは誰か、その答えを導き出すことに成功した。
星野美幸―――――
女の直感じゃないけど、彼が好きなのは星野美幸だと、あたしは断言することができる。
だけど……。
星野さんにはもうすぐ“ダンナ”になる“カレシ”がいるんだよ。


