「モチロン、あたしはカノジョじゃないんだから、あたしのことは後回しでいい。2番目でも10番目でも、100番目でも、1億番目でもいい」
「………」
「ずっとずっと後回しでいいから、なんかの用事とか約束とかあるんだったら、その後でいいから。もしも、死ぬ程ヒマなときがあったら、そのときはあたしと……逢ってほしいんだ……」
「………」
「何とも思ってないあたしのことを無理やり好きにさせるのは不可能なことだし、すごく不自然なことだって分かってる」
「………」
「でも、渋谷さんのことを好きなこの気持ちをどうしても消し去ることができないのは、自分の気持ちを諦めるってことがすごく不自然で、不可能なことだからなんだと思う……」
「………」
「だから今はカノジョになれなくていい……デートなんてできなくてもいい……ときどき逢ってお話でもできれば、それだけであたしは十分だから……」
「………」
「だから、あたしのことを渋谷さんのココロのどこか片隅にでも、ちょっとだけ……いさせておいてもらえないかな?」


