「世間じゃ、あたしたちみたいなのを“できちゃった婚”っていうんだけどね。エヘヘ」
情けなく笑って見せる星野さん。
「実はあたし、星野さんには逆立ちしてもかなわないんだな、って前から思ってた」
「は? なに言い出すのよ、突然」
「一人のオトコとずっとLOVE×2状態でいる星野さんを見てると、あたしまるで…」
「まるで?」
「まるで何度やってもゲームの一番最初のステージさえクリアできないでいるのに、星野さんは楽々一番最後のステージまでクリアしちゃってるみたいな感じがして、“どんな裏ワザ使ったのよ?”みたいに思っちゃう」
「裏ワザなんてないよ。好きな人に“好き”って言っただけだよ」
「好きな人に好きって言っただけ…?」
「ま、ある意味“好き”っていう言葉は、相手に自分のことを好きにさせる魔法の呪文なのかもしれないけどね。うふふ♪」
その夜、ベッドの中であたしは思った…、
“渋谷さんにあたしの想いが届かなかったのは、ちゃんと好きだって言っていないからなのかな……。たしかに良樹には結局、最後まで一度も好きだって言葉に出しては言わなかったし……”
…って。
情けなく笑って見せる星野さん。
「実はあたし、星野さんには逆立ちしてもかなわないんだな、って前から思ってた」
「は? なに言い出すのよ、突然」
「一人のオトコとずっとLOVE×2状態でいる星野さんを見てると、あたしまるで…」
「まるで?」
「まるで何度やってもゲームの一番最初のステージさえクリアできないでいるのに、星野さんは楽々一番最後のステージまでクリアしちゃってるみたいな感じがして、“どんな裏ワザ使ったのよ?”みたいに思っちゃう」
「裏ワザなんてないよ。好きな人に“好き”って言っただけだよ」
「好きな人に好きって言っただけ…?」
「ま、ある意味“好き”っていう言葉は、相手に自分のことを好きにさせる魔法の呪文なのかもしれないけどね。うふふ♪」
その夜、ベッドの中であたしは思った…、
“渋谷さんにあたしの想いが届かなかったのは、ちゃんと好きだって言っていないからなのかな……。たしかに良樹には結局、最後まで一度も好きだって言葉に出しては言わなかったし……”
…って。


