恋合わせ -私じゃ…ダメなの?-

水曜日、良樹が出張に出掛けるのを待って、あたしはダンボール箱に私物をまとめはじめて、そしてとうとう土曜日がやってきた。

朝も早くからあたしのアパートに来てくれた眞鍋さんは、あたしと良樹が3年間を過ごした部屋の中から、私物の家具類やダンボール箱を次々と運び出しては軽トラックの荷台に積み込んでいった。


やがてもうすぐお昼になるという頃…、

「よし。じゃあ、あとはあのダンボール2個を積み込めば全部終わりだな」

眞鍋さんは一気に作業を終わらせたかったのか、ダンボール箱を2段に重ねて部屋を出て、そのままアパートの階段を降りはじめた。


…と、そのとき……、


ダンボール箱を抱えていたせいで足元がよく見えなかったのか、眞鍋さんが階段を踏み外してコケた。

眞鍋さんは階段に尻もちをつき、ダンボール箱はいきおいよく階段を転がり落ちて、中身をそこいらじゅうにブチまけた。


「ご、ごめんっ」

眞鍋さんはそう言って拾ってくれようとするんだけど、あたしは…、

「あっ、いいですっ。あたし、自分で拾いますからっ」