そんなやりとりを何度もしていたら、家がすぐそこまで近づいていた。



「遥香~、ここでいいよ~」


「え?正面まで行こうと思ってたんだけど、ここで大丈夫?」


「うん!大丈夫だよ。この先の道狭いし、Uターンできないしさ!」

そう言ってシートベルトを外し、荷物をもちながら車から外に出た。


―‥あ。雨やんでるかも‥‥?



「じゃあ、足元に気をつけて帰るんだよ~」



「わかってる。ここまで送ってくれて助かったよ、ありがとう。‥またね!」




私は遥香の車が視界から見えなくなったのを確認して、踵を返した。