握った手から、熱が伝わる。 「ゆき姉は賢兄の彼女で、婚約者なんだよね?」 「―――――……うん」 そう。……そうだ。 「賢兄が、ゆき姉を好きだから、そうなったんだよね?」 「……うん」 頷く私に、「確かに、」と言葉を続ける蒼也。