入学式が終わり、またクラスに戻って行く。




午後からは、寮の部屋決めと自分の荷物運びだった。

部屋は自分達で決める事になっていた。



「最悪・・・」




また大きくため息をついた。





PM 1:00


「じゃあ、まず最初に部屋割りをしてもらう。
 新入生は全部で65部屋です。
 2人~4人で一つの部屋になってもらう。
 今は部屋に4つベッドがあるが、人数によって撤去する」



どうしよう。
みんなグループになってる。


「人数調整は、また後でやっていくから
 まずは2人~4人の同じクラスの人で集まってってください」



ざわざわと、みんながグループになっていく。





混乱している私は、とりあえず部屋の端に。



「はぁ・・・・どうしよう。」




頭を抱えていた私の上から、急に声が聞こえてきた。




「ねぇ、E組だよね?」



顔を上げると、2人の女の子が私を見下ろしていた。



「そうですけど・・・・」




1人は、髪がストレートでロング。
ピンクのピンで前髪をとめている。
目が茶色くて、まん丸でくりっとしている。


もう1人は、髪が焦げ茶で前髪ぱっつん。
ポニーテールで大きなリボンを付けている。




「じゃあさ、私たちと同じ部屋にならん?」





「私たち、2人だと寂しいからさ!」






なななななななななにをおっしゃっているんだこの人達は!




「私なんかが同じ部屋だと迷惑ですよ」




「迷惑じゃないよ?
 私たち、同じ部屋になりたいんやって!」



「私、地味なのであなたたちみたいに明るくないんですよ。
 同情してるんじゃないんですか?」



やばっ言い過ぎたかも・・・でも、本当の事だよね。



「・・・同情なんかじゃない。
 私達は、あなたがいいからあなたを誘ったんだよ?」




「そうそう。私達と仲良くしよや」



なんて優しい人たちなんだろう。



「ほらっ」




そう言って、2人が手を差し伸べてくれた。




「いいんですか・・・?」





「やから、あなたがいいの!」




「そうだよ。ほら、立って?」





初めてだった。こんなに私を必要としてくれた人は。




「あ、そういえば名前聞いてなかったよね?
 私は立花愛美里。愛美里って呼んで?」

「私は、佐々木千尋。千尋って呼んでな!」



エミリとチヒロ・・・・。



「私は南芽衣。よろしくお願いします。」



「芽衣は今日から友達。仲良くしよう?」

「そうやよ!敬語はナシな?w」




“友達”




その言葉が、何よりも嬉しかった。





こうして、私に初めての“友達”が出来た。




ありがとう。