「先生~。テストの点、65だったよ~」

「はぁ?!何だよ、その点数は!」 

  テストが返ってくる度に、先生に怒られてた。

  それが少し嬉しかったのはないしょだけどね。


「よし、じゃあ今日はゆっくり授業するか!」

  そう言ってくれる先生が大好きだった。

  このときはまだ、自分の気持ちに気付いてなかったけど。


  でも、あるときあたしは先生に反発したんだ。

「先生!今日はゆっくりいくって言ったじゃん!」

  あたしと先生は、またいつものように雑談していた。

  テスト終わったあとだから余計に話が弾んだ。

  でも急に、先生がテキストやれって言うから、反発したんだっけ?

  今考えてみれば、あたしが間違ってたんだよね。


  でも先生との話が楽しかったのに、急にそんなこと言われてショックだったんだ。
 
  だからあたしは言われたあと、少し泣きそうだった。

  目に涙を溜めて、溢さないようにするのが精一杯で。

  先生に背中を向けて、ずっと先生の言ってたことを無視し続けた。

  先生は

「合田はやれば出来る子だから……」

  なんて、子供が嫌そうなことを言ってた。

  今になって分かる。

  あの言葉に、どれほど先生の思いが詰まってるのか。

  
  先生、ごめんね。

  あたし、ダメな生徒だよね。