「……いっ、て」
鈍い頭痛に頭を押さえた。
時計を見ると昼の1時を示している。
今日が休みで良かったと心の底から思って寝返りを打つ。
瞼がまだ重い、もう少し眠ろう。
不意に、ぼんやりとした意識が鮮明になって、思い出す。
そう言えば、昨日…俺は。
「あいつ…っ」
痛みに起き上がれずに倒れ伏す。視線だけ動かして隣を見たが誰もいない。
落ち着いてから彼女のいた形跡を探すが何もない。避妊に使ったアレすらもない。
けれどはっきりと思い出せる、彼女の声を息遣いを仕草を温もりを。
「…夢幻か」
疲労感に瞼を閉じる。
憎たらしい程輝く太陽に背を向けて。
