「今日は俺の奢り。何でも好きなもん食って」
「え~悪いよぉ」

可愛いこぶって言うけどちゃっかり一番高いのを頼む。
まぁせいぜいステーキくらいしかないけど。

「俺もそれ食いたかったんだ。気ぃ合うな」

曖昧に微笑みながら頷く。
ウソばっか。
逆に痛々しくて笑えるし。

「ドリンクバーも忘れちゃやだよ」
「分かってるって」

店員を呼んで注文をする。
ついでに食後にケーキも頼んでやった。
流石にナンパ男の顔が引きつる。
可愛く小首を傾げながら

「ごめんね?だってケーキ食べたかったの」

って言ってやればナンパ男は鼻の下を伸ばす。
楽勝だ。