優雅にタクシーで乗り付ける。
これはタクヤからの命令。
ドアマンが少しびっくりした顔をする。

「あは。びっくりしました?」
「うちにメイド喫茶あったかって一瞬真剣に考えましたよ」
「やっぱこれメイドですよね~」

お互い苦笑いをしつつあたしはタクシーを降りる。
今日の気分はソファーじゃなくてテーブル。
すぐさま紅茶が運ばれてきた。

「あの…これ…」
「お連れ様からです。心配はご無用ですよ」
「…どうも」

先週はコーヒー。
今日は紅茶。
来週はカクテルでも出てくんの?
しかも見事に気分に合ってる。

「今日は特別に可愛いな」
「タクヤ!!この服何の嫌がらせ!?」
「カッカすんな。似合ってるのに」

今度はJKだったりしないだろうな?
一抹の不安を覚えながらタクヤの背中を追った。