「あぁやっと治った、流行風邪。お陰で体が鈍っちまった」 おおよそ口調を崩した紅は男に微笑み、禿から打掛を貰い受け紅が茶を立てようとすれば、その手を男は丁寧に取る。 紅が顔を上げれば、唇を啄まれた。 「あなた様は、いつも突然だな」 「嫌ですか?」