「別に、誇れる名前やない。」


 答えたのは、海人のほう。


 一応、囚われの身。


 彼の両手には手錠が・・・つけられている首輪には、小型爆弾が仕掛けられている。


 もっとも・・・そこに自分の細工が施されているのは、言うまでもないが・・・。


『それでも、昔のアルフレッドを知ってる者には、嬉しい出来事なのよ。立派になって・・・。』


 言うと、しゃがみこんで、少しでも自分の身長に近づこうとする、マリア。


 しかし、8メートルもあるギアが、どんな体制になろうと、自分と同じ目線になることはない。


 ・・・・・・・彼女はそういう存在・・・。


 人間とギア・ドール。


 その差は、縮まるはずがない。


 ・・・縮めてはいけない・・・。


「もういいだろう?アルフレッドと、俺はこれから、まだやらなくちゃいけないことが多いんだ。」


 二人の会話を止めたのは、水練のほう。


 そう、俺たちはこれからやることがある。


 ・・・・・・・・・海人を売りさばくという・・・・・・・・・・ことが・・・。


『そう・・・残念ね・・・また会えるわよね?』


 マリアの言葉・・・。


「あぁ・・・もちろんだよ。せっかく会えたのだから・・・。」


 きっと、また会える。


 だけど・・・次・・・会うときは・・・・・・・・きっと・・・・・・・・・・・・・・。